当協議会では佐渡市からの委託を受けて、高齢者が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、在宅医療と介護を一体的に提供するため、医療機関と介護事業者等の連携を推進し、年間を通じて「佐渡地域入退院調整ルールガイドラインに基づいた入退院支援」や「多職種連携を目指した研修会」等を実施しています。
今回の研修会は、佐渡市における高齢期の口腔状態や低栄養の現状を知ってもらおうと「オーラルフレイル&低栄養予防」を目的として行われ、会場に集まった約50名が耳を傾けました。
第一部では、「オーラルフレイルの見逃しから始まる低栄養、サルコペニア、そして死」について、相川地区「まもる歯科」の渡部守院長による講演が行われました。渡部さんは、自身が実施している訪問歯科診療の現状や高齢者の口腔状態の写真を見せながら、オーラルフレイルを放置した場合の要介護認定率や死亡リスクが高まることを紹介しました。また「オーラルフレイルは全身にも影響し、嚥下機能(飲み込む力)や嚙み合わせの力が低下することでフレイルとなる危険性が高まる」とし、集まった参加者は『映像や写真を見て、オーラルフレイルを放置した場合、口腔状態の悪化だけでなく、全身の機能が衰えていくことにびっくりした。』『口の状態と食事は密接な関係があると思っていたが、入れ歯を作ったことで身体の機能が回復した例を見て、改めて重要だと思った。』と話していました。
続いて、佐渡市相川支所 福祉保健係の吉良美代子様より「高齢期の低栄養予防」について、佐渡市の栄養改善事業の取り組みが紹介されました。吉良さんは、「低栄養とは健康的に生きるために必要な栄養、特にエネルギーとたんぱく質が不足している状態です」と話し、市の集団健診の結果、BMIが18.5未満の方に市の管理栄養士が継続的に指導を起こっている活動などを紹介しました。
2つの講演の後、集まった参加者で「低栄養、オーラルフレイル予防のために私たちがすべきこと」についてグループディスカッションが行われ、『佐渡市の移動販売車の取り組みで、ちょい足し食品の購入をすすめる』ことや『訪問時、身長・体重や口腔ケアなどを確認し、疾患だけに注目せず食の視点をもってアセスメントする』など様々な提案があがり、今後の介入手法や連携について考える貴重な機会となりました。
当協議会では、提案された内容をとりまとめ、低栄養・オーラルフレイル予防の啓発や来年度の事業に活かしてまいります。